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【コラム vol.10】 "箱"か? "人"か? それが問題だ

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「ネットビジネスを変える新潮流」 vol.10 "箱"か? "人"か? それが問題だ

 10回連載でネットビジネスの新たな潮流について言及してきたこのコラムも、今回で最終回となる。最後にこれまでを総括すると共に、今後の潮流についても予測してみたい。

"献身性"の上に成り立つCGM

 これまで述べてきたように、今やWEB上のあらゆるサービスの主役はコンシューマーであり、そのアクティビティによってWEB2.0の象徴とも言うべき CGMの世界は成り立っている。YouTubeもSecondLifeもサービスモデルは異なるものの、提供しているものは単なる"箱と仕組み"であり、コンシューマーによって生成される"中身"がない限りサービスとして、ひいてはビジネスとして起動はしない。ではこのコンシューマーの"献身性"は永遠に続くのだろうか? コンシューマーの情報発信にCGMという箱は必要不可欠なのだろうか? 答えは解らない。ただ「今はその箱と仕組みしかないから使っている」という仮説は検証に値するかもしれない。

"箱"不要の情報流通モデルへ

 WEB1.0のキーワードが"オーソリティと集中化"だとすれば、WEB2.0は"群集の叡智と分散化"であろう。もはやWEB上でのコンシューマーの躍 進は鈍化するはずもなく、となればこのあとにくる潮流は"個人と有機化"なのかもしれない。一人一人が多様化したスモールメディアとなり、それがニューロ ンのごとく有機的に絡み合うことでWEB全体が構造化されていく、といった世界観である。CGM経由で発信した情報はWEB上の見知らぬ"あちら側"にま とめてデータベース化されているが、間違ってはいけないのは、すべての情報は個人のPC端末から発信されているという事実である。つまりそのPC内の資産 を持ち主の"制御下"(ここがキモ)で上手くWEB上に引き出すことができれば、CGMという箱はもはや必要なくなるのではないか? この"自分メディア "を実現する術がブログのようなサービスレイヤーなのか? P2Pのようなアプリケーションレイヤーなのか? あるいは統合認証IDのようなインフラレイ ヤーなのか? それは現時点では解らない。ただはっきり言えるのは、主役はあくまでもコンシューマーの"リアルな日常"であり、決して"仕組み"ではな い、ということだ。


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